RCA Radiola 26

 Radiola 26  May. 1925  $225.00 with tubes.  19,507 made.

1925年製のスーパーヘテロダイン受信機Radiola 26 ウエスティングハウス製です。

スーパーヘテロダイン受信機とは、検波する周波数を受信する周波数より低い周波数に変換し検波増幅する方式で、ヘテロダイン現象を応用した受信機です。 ヘテロダイン現象とは、例えば10Hzの交流f1と12Hzの交流f2を重ね合わせるとf1 (10Hz)+f2 (12Hz)=2Hzの唸り(ビート)が発生します。これをヘテロダイン現象と言い、このビートを検波することをヘテロダイン検波と言います。 このヘテロダイン現象を応用し、同調回路に生じた高周波と局部発信器によって生じた高周波を混合し、このビートを検波して中間周波に置き換え増幅する方式の受信機をスーパーヘテロダイン受信機と言います。現在では殆どの受信機がこの方式を取っていますが、そもそもの理由は、当時の三極管ではストレートな高周波増幅が難しかった為、アームストロングが発明した受信方式です。 この発明により、周波数変換を行い、低い周波数を増幅する方が高い利得を容易に得ることが可能となりました。 ちょっと物理的なお話でしたが、現在の教科書に何故かスーパーヘテロダイン受信機の根本的な解説がないことに気が付いたのでちょっとだけ説明させていただきました。

Radiola 26の話にもどりますが、これ以前のものまでは外部にホーンスピーカー(UZ1320/UZ1325)を接続して使用しましたが、このラジオは、ケース内に三つ折のホーンスピーカーが内蔵されていて、外側の木枠にループアンテナが取りつけられていますが、背面に取りつけても使用できるようになっています。電池も後に収納スペースがありますので本当のポータブルラジオと言えるでしょう。AR812もポータブルと称してはいましたが、結構デカイし、電池を入れたら何十Kgにもなってしまい、とても持ち上げられたものではありません、しかし、Radiola 26ならなんとか持ち運びは可能でしょう。それでもやっぱり重いですョ。RCAでは1924年からAR812,Super-VIII,Radiola X,など、スーパーヘテロダイン受信機を製造していまが、このRadiola 26はRadiola 24(GE製)と同時期に発表されたモデルです。これら、RCAのスーパーヘットは全てUV199を6本使用したCatacombと呼ばれるユニットが使用されています。きっと、現在の何でもユニット化の元祖なのでしょう。

 

内部に見えるアルミ(ブリキ?)の箱がCatacomb(カタコーム、直訳すれば地下基地、きっと秘密だったのでしょう。)です。この中に、トランスやコンデンサー、その他の回路が入っているのですが、ワックスで固められているので中身は見えません。トランスなどが壊れたら、昔、日本にもコイツを修理する専門屋が居たそうです。バリコンやIFTは外付けです。私も、コイツのトランスを修理しましたが、もう二度と開けたくないくらい大変でした。ま〜、今も昔も変わりませんね。まったく、よけーなことをしやがって これぢゃー修理できないぢゃん!!ってな感じです。

 

フロントパネルの蓋には、ポータブルラジオであることを主張しています。

 

ループアンテナを閉じたところ。ぱっと見、ただの木箱になってしまいます。いつも友人に、なにコレって言われてしまいます。大抵の人は開けて見せてやると、"なんぢゃこりゃー"と、ビックリしてます。そういえば、だいぶ前に何でも鑑定団にコレが出ていましたね。

 

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